IT資格の歴史からみるデータ人材教育の現状と、データエンジニアのなり方

ITエンジニアのなかでも、ビッグデータやDXの推進に関わるデータエンジニアは、年々需要が増え続けている職種のひとつです。

しかし、データの重要性が高まっていながらも、それを扱えるデータエンジニアの数は不足しているため、需要過多となっているのが現状です。

そんなデータエンジニアになるために必要なITの資格はあるのでしょうか?

もちろん資格は持っているに越したことはありませんが、どんな資格を取得すればいいかわからないという方も多いかと思います。

そこで今回は、各種IT資格と、現状を踏まえたデータエンジニアのなり方についてご紹介します。

併せて、現在のデータ人材教育方針についても考えていきましょう。

目次

都の人材要件から読み解く現在の人材教育

2022年2月9日、東京都は大規模なデジタル人材育成方針を定めた「東京都デジタル人材確保・育成基本方針」(出典:東京都デジタル人材確保・育成基本方針 ver.1.0)を発表しました。

これまでは行政課題を解決するためにPlan(計画) / Do(実行) / Check(評価) / Action(改善)を回していく「PDCAサイクル」に重きを置いて業務をマネジメントされるのが主流でした。

今回発表した新方針では、常に変化し続ける行政課題と日進月歩で進化しているデジタルテクノロジーの関係性から、今後はObserve(観察) / Orient(情勢判断・仮説構築) / Decide(意思決定) / Action(実行・仮説の検証)を繰り返す「OODAループ」という柔軟かつ迅速に状況変化に対応する考え方も必要だとしています。

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出典:PDCAとの違いは? 現場に強いビジネスメソッド「OODA(ウーダ)ループ」とは?

時代の変化やテクノロジーの進歩に合わせて、デジタル人材に求められるポイントは今後も変化するでしょう。

そんな人材要件を踏まえ、変化し続けるデジタルテクノロジーを活用してさらなるDXを推進するために、都は「東京デジタルアカデミー」と題した研修メニューを構築しました。

各職種によって求められるデジタルスキルは異なることから、職種や職層によって適切な研修メニューを用意したことでより効果的な能力の向上を図っています。

研修以外にも、職員同士で技術的な相談や疑問の共有を行えるオンラインコミュニティの発足、高度な知識を持った職員が講師となって技術的な講義を行うスキルアップ勉強会といった育成メニューも展開されています。

OJTの一環として技術的な業務だけでなく、企画や他部署との調整などの実務に関わる業務も含めてジョブローテーションを回すことも、都政とICTを繋ぐ人材の育成に繋がるとしています。

さらに、デジタル庁は人材の確保と育成に向けて「デジタルスキルマップ」を導入しました。

デジタルスキルマップには業務遂行に必要な各デジタル関連の能力を22個のスキル項目に分け、そのなかでも4段階のレベルを設定しています。

これにより一人ひとりがどんなスキルをどの程度のレベルで保有しているかが一目で分かるため、人材確保や研修メニューの構築に大いに役立つでしょう。

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出典:デジタルスキルマップ(スキル指標)

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出典:デジタルスキルマップ(ジョブタイプ)
出典:東京都デジタル人材確保・育成基本方針 ver.1.0

データ人材に必要な資格とは

そもそもデータ人材の需要は世間的に高く、一昔前からデータエンジニアリングに役立つ資格はありました。

古いものは1969年に始まったものもあります。

なかでも今回は特に役立つ資格を3つピックアップしました。

GCP Professional Data Engineer資格
・Googleが公開するデータエンジニア向けの試験であり、「データ処理システムの設計」「データ処理システムの構築と運用」「機械学習モデルの運用」「ソリューション品質」などの内容が出題される
・GCPによるデータ基盤構築のような実務を経験した、または担当することになった方におすすめ。
・データ基盤の周辺領域である機械学習やセキュリティに関する出題もされるため、資格取得に対する現場評価が高い。

CCPデータエンジニア認定試験
・企業向けデータクラウドのプラットフォームを提供する「Cloudera」が運営する資格。
・国際的に利用可能な資格なのでグローバルに活躍したい方におすすめ。
・データの格納や返還に関する知識を証明できる。
・全問英語で出題されるため難易度が高い。

統計検定
・2011年に開始したビッグデータなどの膨大な情報を適切に取り扱うための資格。
・データに基づいた客観的判断によって問題を解決するという、21世紀型のスキルとして世界で認められている。
・2級程度の知識を持っているとデータエンジニアとしての基本的な知識をカバー可能とされている。

データエンジニアになるには専門的な知識と経験が必要ですが、経験は現場で積む必要があります。

しかし、そもそも知識がなければ現場に立てないので、今回紹介した資格を取得することで知識面を補強していることをアピールできます。

資格を取得することでよりチャンスをつかみやすくなるでしょう。

これからデータエンジニアを目指す方へ

データエンジニアは今後も需要がますます増していく職業のひとつです。

2016年に経済産業省が公表した「IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査」(出典:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果)によると、IT人材の需要と供給の差は今後拡大する一方で、2030年には約79万人が不足すると試算されています。

今後はテクノロジーの進歩によって、より効率化された便利な社会が訪れるでしょう。

IoTやAIが人間の代わりとなって働くことで、生産性の向上やコスト削減、重労働からの解放、労働環境の改善など、さまざまな恩恵が受けられる一方で仕事を奪われる方も増大すると言われています。

こうした変化は「第4次産業革命」と呼ばれ、早ければ21世紀前半中に起こると予測されています。

失われる職がある一方で、こうした産業の変化に対応できるデータ人材はますます需要が高まるでしょう。

資格取得を目指す方は、まずはITエンジニアの基本的知識を養うために「基本情報技術者試験」を取得し、その後は段位が低くてもいいので「統計検定」や「CCPデータエンジニア認定資格」などを目指して学習してみてはいかがでしょうか。

また、データ基盤づくりにも関わることになるのでインフラに関する知識も必要になります。

Googleが提供しているGCPには機械学習のプラットフォームやストレージサービスなどの多様なコンポーネントが含まれており、これらを組み合わせることでデータの価値を高めています。

GCP以外にもAWSやAzureといった、現在主流になっているクラウドサービスに関する資格を取得するのもよいでしょう。

弊社では、ペタバイト単位の膨大なデータを高度に管理・分析するBigQueryを含んだGCPを用いて、クライアント様のサービス開発や課題解決のサポートを行っています。

これからデータエンジニアを目指す方は、今回ご紹介した資格を取得することにくわえて一度GCPに触れてみるのもおすすめです。

GCPには無料枠が用意されていて気楽に試せるので、ぜひ一度データエンジニアの世界を体験してみてください。

出典:IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果

教育コンテンツはデータ・エージェンシーがサポート

現在は増加し続ける需要に伴って、未経験からでも十分データエンジニアを目指せるようなスクールやカリキュラムも構築されるようになりました。

弊社は顧客のサービス開発や課題解決等を行うコンサル業だけでなく、データエンジニア派遣や、蓄積した情報を基にリスキリングや研修などの教育サービスなども展開しています。

これからデータエンジニアを目指したい、実際に研修を受けてみたいという方は、私たち「データ・エージェンシー」までご連絡ください。

https://www.dataagency.co.jp/#contact

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